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2025.07.20

葬儀のお車代は親族にも渡す?基本的な配慮・対応や注意点を解説

葬儀の際に渡す「お車代」は、親族にも必要なのか、どのような基準で判断すべきなのかといった疑問をお持ちではないでしょうか。特に近年は家族葬や小規模な葬儀が増えており、親族への対応や費用負担のあり方が変わってきています。そのため従来のマナーや慣習にとらわれず、実情に合った配慮が求められるケースが増えているのです。

本記事では、親族に渡すお車代の判断基準やマナー、注意点などを解説します。

「自分の家の場合はどこまで用意すれば良いのか」「どのように親族へ伝えるとスムーズに進められるのか」といった悩みを解消し、不安なく葬儀を執り行うための参考にしてください。

 

【お車代とは?基本的な意味と葬儀での役割】

「お車代」とは、葬儀に参列する方の交通費や移動にかかる費用を一部負担するために包む金銭のことを指します。特に遠方から来てくださる親族や、何度も足を運んでいただく方への感謝の気持ちを形にしたものです。元々は弔問客が焼香などを済ませた後に移動するためのタクシー代などを用意する風習ですが、現在では交通費や宿泊費の援助を含む総合的な「実費補助」という意味合いで使われることが増えています。遺族側としては、参列者に負担をかけさせないよう配慮し、かつ感謝の気持ちを伝える大切な要素と言えるでしょう。

 

【親族にお車代を用意する必要性は?一般的な考え方】

お車代は参列者全員に必ず渡さなければならないという決まりはありません。しかし、親族であっても交通費が高額になる場合や、負担が大きいと想定される場合は、お車代としていくらか包むのが一般的な配慮とされています。とりわけ、遠方からわざわざ時間をかけて来てくださる親族や、高齢のご親族がいる場合などは、金額の多少に関わらず感謝の気持ちを表すことが大切です。地域や家柄、宗派によってしきたりが異なることもあるため、事前に分からない点は親族間で相談しておくと安心です。

 

【親族間の距離や負担状況を考慮する】

親族だからこそ多少の出費は仕方ないと考える方もいますが、実際には大きな負担を感じるケースもあります。たとえば公共交通機関の乗り継ぎが多い、宿泊が伴うなど、移動だけで大きな出費につながる状況は少なくありません。血縁関係だけで判断するのではなく、「相手にどれだけ負担をかけているか」を基準に、お車代を用意するかどうか検討しましょう。負担が大きい方ほど、多めにお車代を渡して感謝を示すのが一般的です。

【地域や宗派による違いはある?】

葬儀にまつわる慣習は、地域性や宗派によって大きく異なる場合があります。そもそもお車代を渡す習慣があまり根付いていない地域もあれば、遠方であっても交通費の負担に厳密なルールがないところもあるでしょう。逆に、旅費全額を必ず負担する習慣が根強く残っている地域もあります。事前に家族や地元の寺院、葬儀社などに相談し、地域や宗派特有のマナーを確認しておくとトラブルを防ぎやすいです。また、香典返しや返礼品と「お車代」は目的が異なる点にも注意が必要です。香典返しや返礼品はいただいた香典や弔意に対するお礼ですが、お車代はあくまで“移動負担”への配慮がメインになります。両者が混同されないよう、区別して用意しましょう。

【遠方から来る親族と近隣の親族で対応は変わる?ケース別に解説】

親族へのお車代は、実際の距離や負担に応じて包む金額や渡すタイミングを変えることがあります。遠方からの参列で費用がかさむ場合と、近所に住んでいて大きな出費がない場合では配慮の度合いも変わります。ここでは、距離別の対応例を具体的に見ていきましょう。

 

【遠方の親族には交通費実費を基準にする】

遠方から来られる親族には、航空券や新幹線などの実費を基準にお車代を渡すケースが一般的です。交通費が高額になる可能性があるため、以下のような目安を検討するとよいでしょう。

  • 航空券代や新幹線代などの実費をお車代のベースとする
  • 宿泊が必要な場合はホテル代やタクシー代の一部も考慮する
  • 領収書の提示をお願いするかどうかは、親族の意向を尊重する

すべてを全額負担する必要はありませんが、遠方からの参列は移動時間も含め大きな労力がかかるものです。相手に負担感を与えないよう、状況に合った金額を包むとよいでしょう。

 

【近隣の場合は気持ち程度で済ませるケースも】

同じ市内や隣接する地域など、比較的近距離であれば交通費はさほどかかりません。このような場合は大きな負担にならないため、お車代というよりは「わざわざ来ていただいたお礼」という意味合いで数千円程度を包むケースがあります。高額ではなくても、相手への感謝の気持ちを示すことが重要です。

 

【兄弟姉妹・親族が複数いる場合の配慮】

親族が複数集まる場面では、それぞれの距離や状況に応じてお車代を用意する必要があります。遠方から来る方と近隣の方で金額に差をつける場合もあるため、ある程度の基準を決めておくとスムーズです。事前に「どこから来る人がいるか」を把握し、家族や喪主で話し合って対応を統一することで不公平感を最小限に抑えられます。

 

【自家用車や送迎バスを利用する場合の注意点】

遠方の親族が自家用車を使用する場合、ガソリン代や高速道路の通行料金がかかることがあります。飛行機や新幹線のように明確なチケット代がないため、金額を把握しづらいのが難点です。お車代を用意するときは、実費をおおまかに想定したうえで包むと良いでしょう。また、大人数が集まる場合は葬儀社の送迎バスを手配することもあります。送迎バスを利用するなら、親族個人の交通費はかからないかもしれませんが、バス代の一部を喪主側で負担するといった方法も考慮して、全体的な配慮を心がけることが大切です。

 

【家族葬や直葬でも親族にお車代は必要?葬儀規模別の考え方】

近年は家族葬や直葬といった小規模の葬儀形態が増えています。参加人数が少ないからこそ、親族への対応がより一人ひとり丁寧になる傾向があり、お車代を用意する場面も十分に考えられます。規模が小さいからといって、必ずしもお車代が不要になるわけではない点に注意しましょう。

 

【家族葬なら参加人数と距離を踏まえて柔軟に判断】

家族葬は近親者のみで行う場合が多いため、参列者数が少ない分、誰がどの程度の交通費を要するかを把握しやすいメリットがあります。遠方からの参加者がいる場合は、その方の交通費負担を基準にお車代を検討すると良いでしょう。家族葬は形式にとらわれず柔軟な対応ができるため、参列者一人ひとりに合わせた配慮が可能です。

 

【直葬のように参列者がごく少数の場合】

直葬はほとんど儀式を行わず、火葬のみを行うため、参列する人数もかなり限られます。それでも遠方から足を運んでくれる親族がいるならば、お車代が必要になるケースがあるでしょう。参列がごく少数であっても、「わざわざ来てもらった」という気持ちを忘れずに、必要に応じてお車代を用意することをおすすめします。

 

【親族に渡すお車代の金額相場と算出方法】

お車代を用意するうえで多くの方が悩むのが、どの程度の金額を包めばよいかという点です。一般的には「実費をどこまで負担するか」を基準にしつつ、地域の慣習やご家族の考え方とのバランスを取るのがポイントです。

 

【交通費・宿泊費の実費を基準にする】

遠方の場合、主要交通機関(飛行機や新幹線など)の費用や、必要に応じて宿泊費を加味したうえでお車代を算出するのが自然な考え方です。

以下はあくまでも目安ですが、検討の材料になるでしょう。

移動手段

お車代の目安

電車・バス(近距離)

2,000〜3,000円程度

新幹線(中距離)

5,000〜1万円程度

飛行機(遠距離)

1万円以上+宿泊費

 

実際には、親族本人が「移動費は気にしない」と言っている場合や、地域の慣習で「負担しなくて構わない」とされている場合もあります。そうした状況を踏まえつつ、過不足のない金額を心がけましょう。

 

【金額設定で気をつけたいポイント】

お車代の金額は高過ぎても相手が気を使い、逆に安過ぎると申し訳なく感じさせてしまう場合があります。相場はあくまでも目安として参考にし、当日の移動費に見合う金額を意識するとよいでしょう。特に複数人分をまとめて負担する際は、「誰にいくら渡すのか」を明確にしておくと後々の金銭トラブルを防ぎやすくなります。事前の打ち合わせや家族間の確認も重要です。

 

【親族にお車代を渡すタイミングと渡し方のマナー】

お車代を「いつ、どのように」渡すべきかは意外と迷うポイントです。葬儀当日はバタバタしやすいため、あらかじめ渡す担当者やタイミングを決めておくとスムーズに進められます。ここでは、基本的なマナーと注意点を整理します。

 

【渡すタイミング:通夜・葬儀・精進落としなど】

お車代を渡すタイミングは、通夜や葬儀、もしくは精進落としの場などで行うのが一般的です。特に遠方から来る親族の場合は早めにお渡ししておくと、移動費を先に補填できるため相手の安心感につながります。ただし、葬儀の進行に影響が出ないよう、誰がいつ手渡すのか決めておくと混乱を防げるでしょう。

 

【包む袋や表書きの書き方】

一般的には不祝儀袋を用い、「御車代」または「御車料」と表書きをします。水引は黒白や双銀など、弔事用のものを選びましょう。中袋には金額と喪主の氏名を記入し、表書きや氏名を記入する際には薄墨を使うのが基本的なマナーとされています。ただし、地域によっては略式の封筒でも問題ない場合があり、状況によっては濃墨を使うこともあるため、周囲の慣習に合わせて判断してください。

 

【お車代を辞退された場合は?気持ちを伝える方法とマナー】

親族間では「お金のやり取りは遠慮したい」という理由から、お車代の受け取りを辞退されることもあります。せっかく用意したのに断られてしまうと困惑するかもしれませんが、相手の考えや気持ちを尊重することが大切です。無理に受け取ってもらおうとすると、かえって気まずい空気になりかねません。

 

【辞退の理由を確認し、無理に受け取らせない】

辞退される理由の背景には、「近い親族だから交通費は不要」「相手の負担になりたくない」「家族として当然の役目なのでお金は受け取れない」など、さまざまな思いがあります。相手が本心から不要としているのであれば、その気持ちを尊重するのが望ましいでしょう。きちんとお礼の言葉を伝え、相手の善意に感謝することで失礼にはなりません。

 

【感謝の気持ちを形で示す別の手段】

お車代を辞退されたからといって、何もしないとこちらとしては申し訳なく感じるかもしれません。そのような場合は別の方法で感謝を伝えることを考えてみましょう。

  • お礼の品(お菓子や地元の名産品など)を改めて贈る
  • 後日、手紙やメッセージカードで感謝の気持ちを伝える
  • 法要や集まりがある場合、食事の場を用意してもてなす

このように、相手の負担を軽減しつつ感謝を表すことで、かえって喜んでもらえることもあります。辞退を受け入れること自体が、相手との関係を円滑に保つ一つの手段になるでしょう。

 

【お車代に関わるトラブル事例と対処法】

お金にまつわる話は、悲しみの中で進む葬儀の場面では特にトラブルの種になりやすいものです。お車代に関しての認識の違いや、タイミングの不一致で気まずい思いをしないために、よくある事例と対策を知っておきましょう。

 

【お車代の有無や金額で誤解が生まれた場合】

遠方からの参列者が「お車代を負担してもらえると思っていたのに、何もなかった」というケースや、想定金額と実際の支給額に大きな差があって戸惑った例が挙げられます。こうしたトラブルは、当事者同士のコミュニケーション不足が原因で起こりやすいです。前もって「お車代をお渡しする予定があるか」「交通費がどれくらいかかりそうか」を双方で確認しておくと誤解を防ぎやすくなります。

 

【事前の連絡・確認でトラブルを防ぐコツ】

「親族にいつ伝えるべきか」を迷う方もいますが、葬儀の日程が決まり次第、招く側から早めに声をかけるのが理想です。遠方や宿泊が伴う場合は、「どの交通手段で来るのか」「お車代をいくらか用意するつもりがあるのか」をざっくばらんに話しておくと、お互いの負担や期待値を調整しやすいでしょう。後から「思っていたのと違う」という状況を避けるためにも、事前の連絡・確認が肝心です。

 

【まとめ】

葬儀のお車代は、親族に対しても必要かどうか悩む場面が少なくありません。実際には、距離や負担状況、地域の習慣などによって判断が大きく変わります。遠方から来ていただく方には交通費の実費を基準にし、近隣の方には気持ち程度を包むなど、柔軟な対応が大切です。辞退された場合は無理をせず、別の形で感謝を示すことでトラブルを防げるでしょう。しきたりやマナーだけに縛られず、それぞれの状況に合った配慮を心掛けると安心です。

 

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